泉北ラボをテーマに卒論を書いてくれた大学生にインタビューしました!(論文本文も読めます)
2024年度は、泉北ラボをテーマに二人の学生さんが卒業論文を書いてくれました。
大学生お二人と、担当教諭の先生に、卒論制作を終えた今のお気持ちをインタビューしました!

(右)川西百穂さん(大阪公立大学 商学部 公共経営学科4年生)
(左)大石悠斗さん(近畿大学 建築学部 建築学科4年生)
(後方)浦井亮太郎先生(近畿大学 建築学部建築学科 助教)
インタビュアー:財団乗組員 穂積
穂積:お二人はどうして泉北ラボに興味をもったのですか?
川西:元々、ソフト面での「まちづくり」に興味があって。
地域での関係性作りから活性化に繫がる部分に興味があって、論文を書きたかった。
泉北ラボの視察に参加したとき、「おせっかいの関係性つくり」というキーワードにびびっときました!
大石:千里ニュータウンを研究されている鈴木毅 元教授(近畿大学)から、「泉北ニュータウンの活動がすごい」と視察に誘われたのがきっかけ。
祖父が原山台在住なのもあり、泉北ニュータウンについて論文が書きたいと思っていた。
財団の視察に参加をし、「社会的孤立」というテーマをしっかり持って活動をしているところや、
社会課題解決を意図して作られた居場所=泉北ラボが面白いと思いました。
その日の帰り道には「泉北ラボについて論文を書こう」と決めていました。
穂積:お二人はどうして「まちづくり」を研究対象にされたのでしょうか?
川西:高校生のときに、アートで商店街を盛り上げる取り組みをテレビで見て、いい意味ですごく衝撃を受けて、
そのときから「まちづくり」をやりたいと思っていた。
私の住む堺区にも商店街がありますし、閑散としていたらもったいない。
自分は「まちづくり」にどういう関わり方ができるのか模索していました。
大石:祖父が団地に住んでいることもあって、もともと団地好きなんです。
団地が高層マンションに変わると言う話などを聞いて、もっと団地内で、住む人たちができることってないのかなと漠然と考えていて、
自分も泉北ニュータウンに住んでるけど、自分のまちについて知らないことが多かった。
ちょっとずつ調べていくなかで、ニュータウンの特性や現代の課題、危機感を知っていくにつれ、興味が深まっていきました。
穂積:では、泉北ラボのどういうところが好きですか?
川西:繫がりの作り方が好きです。
間口が広く、特定の人をターゲットにしていないので、いろんな人を受け入れられるところ。
この1年間泉北ラボでアルバイトをしていましたが、来てくれる人があったかいんです。人が人を寄せている、そんな気がします。
大石:建築空間としての面白さがありますよね。
1階と2階が見える解放感や、長方形じゃない(傾斜している天井)のため、おうち感がある。
まさに「まちの家事室」だなと思います。
穂積:お二人は論文を書いてみて、新しい気づきなどありましたか?
川西:思ったより単純じゃなかった!「まちづくり」をもっと単純に考えていました。
泉北ラボは、機能が入り混じっているし、来てくれる人も多様だし、思ってもいないところで繋がる人たちがいる。
そんな想像を超えるようないろんな可能性があって・・!系統立てて考えるのは難しかったです。
大石:代表の宝楽さんと、カフェの山中さんの存在が大きいと気づきました。
主(あるじ)の存在の大きさを感じました。
ひとつひとつのこだわりがちゃんと言語化できるし、明確になっている。
空間の使い方の大切さについては、特に論文の中で書きたかった部分です。
オープン空間の気持ちよさを残しつつ、木を配置して、目線が合わないように、プライベート感も大切にしている。
木を自由に動かすことで、空間をうまく使っていました。
その他、例えば、団体さんが盛り上がって騒がしかったときがありました。
普通のお店なら「お静かに」と団体さんにお声がけするところ、
宝楽さんが、その周辺にいた個人のお客さんに「今日はにぎやかですねー」と和やかに声をかける姿が見られました。
ルールで縛ると、団体さんに「静かに」と言わなければならない。
そうではなく、場の調和を目指すこと、個人客の方に話しかけるきっかけにして、繫がりを作ること。
泉北ラボは、参画の場であることが徹底されているのが、すごいと思いました。
穂積:そんなことまで気づいてくれるなんて、嬉しい驚きです!
では、今年大学を卒業し、社会に巣立たれるお二人から、後輩へのメッセージをお願いします!
川西:ここの良さは言語化できないです。是非体験してほしい。
視野が広がりましたし、学びは多く、人も良いです。いろんな大人・同世代と関わりたい人にもおすすめ!
私は卒業後は、まちづくりに関わる会社に進みますが、
このまま働き出すとおそらく知ることのできなかった「現場感」を体験できました。
私と同じところを目指している人がいたとしたら、現場の最前線を体験できる場所だと思います。
大石:関わり方が自由な場所です。
好きなとき、珈琲を飲みたいとき・美味しいごはんを目的にでも、まずは来てもらいたい。
その延長線上に、いろんな仕組みがあることを知ってもらいたい。
リピーターになると、人が寄ってきて、自分の知らなかったことに気づけて、色んな経験にも繫がります。
社会的・地域的に新しい課題に気づくことができます。
まずはカフェを目的に来てほしい。座る場所を毎回変えるだけでも、新しい発見がありますよ。
穂積:お二人とも、ありがとうございます!
今日は大石君のゼミ担当の浦井先生にも、同席いただいています。先生からもこの1年で感じたことをお話してください。
浦井:もともと、大学のゼミの中だけで学生を育てるのは限界があると感じていました。
それこそ、核家族の中だけで子どもを育てるのと同じです。
子どもって関わる人がたくさんいたほうがよくて、地域で育てたほうが、もっといいですよね。
ゼミの担当教授だけに教わるのではなく、それぞれがまちのフィールド出ることで、
いろんな大人や、他大学の学生さんともコミュニケーションをして、
大学の教育だけでは成しえない成長をサポートしてくれる。
地域に育ててもらうってこういうことだと思います。
今回は、本当にそれを実感として感じました。
大石君が泉北ラボに通っているのは知っていましたが、あるとき「ボランティアになりました」と報告があって。
どんどん、喋る言葉が前のめりになって、好奇心旺盛になった。
主体的に、自発的に喋れるようになっていった。
泉北ラボ以外のフィールドに行った学生もいたのですが、その子も変わりました。
それぞれが、外部で刺激をもらってゼミに帰ってきてくれて、社会課題について、議論ができるようになりました。
大学生が学内で議論できる場って、意外と生まれないんです。
喋りたくなる面白さが泉北ラボにあるってことですよね。
私もすっかり泉北ラボのファンになってしまって、サポーターとしても登録させてもらいました!
穂積:浦井先生、サポーター登録まで!ありがとうございます(^○^)
みなさま、本日は本当にありがとうございました。
泉北ラボでは、大学生の皆さんを対象に「ユースワークセンター」を立ち上げます!
大学生の皆さんが、大学の垣根を越えて、チームとして社会課題の調査や実践的解決にチャレンジするセンターです。
2025年度の参加者を募集しております。ご参加お待ちしております!
ーーー川西さんと大石くんの論文は以下からーーー
川西百穂 卒業論文
https://semboku-fund.org/wp-content/uploads/2025/02/00dfafd6ec580e47f699629e4be5e9cd.pdf
大石悠斗 卒業論文
https://semboku-fund.org/wp-content/uploads/2025/02/b5ce96186ea136b22875abc1c6983674.pdf
ーーーユースワークセンターについては以下からーーー
準備中
投稿者プロフィール

- 泉北のまちと暮らしを考える財団では、市民が主体的に公益を担う社会の実現を目指し、「温かいお金」が地域でまわる仕組みづくりをしています。
最新の投稿
シンプルでカスタマイズしやすいWordPressテーマ
ビジネス向けWordPressテーマ「Johnny」はシンプルでカスタマイズしやすいテーマです。ぜひ一度お試しください。